先日のクリエイターズ・マーケットと同じ主催者が
会場にはマニアックというかオタクというのか
出展している人も来場している人も
古いものに憧れや郷愁をおぼえる人たちで
賑わっていた。
古い物・・と言ってもアンティークやビンテージではない
昭和時代を懐かしむ玩具や雑貨が多い
中年以上には懐かしく
若者たちには新鮮に感じるのか
性別年齢関係無しに
会場を探検していた。
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自らが作った物ではなく、どこからか見つけてきた物
長年収集してきた物を出展していて
話しかけると気さくな反応を示してくれる。
撮影を断られたのは一軒だけだった。
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もちろん買い手であるお客とも話をするけど
出展者同士で情報交換や裏話で盛り上がっていることが多い。
ボクはそんな会話に耳を傾けるのが好きだ。
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真ん中のオーバーオールを着ているペコちゃんは
ボクも以前持っていたものと同じ。
値段を聞くと130.000円
周りの人は「うちにもあった」「捨てずに取っておけば良かった」などと
言っていた。
ボクはどうしても思い出せない。
どうしてボクの収集品の中に残っていないんだろう
捨てた記憶はない。
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今回、ひとつも買い物はしなかった。
出展されているブリキの玩具類はボクも持っている
この自動車なども何種類かは同じ物を持っている。
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アトムやロボットもボクは持っている。
もっと良い状態のアトムや鉄人28号だ。
そんな話を出展者に話すと是非見たいという。
換金が必要になっても手放さなかった。
この先は・・・分からない。
一生懸命になって収集したことはなく
気がついたらブリキの玩具やガラクタが集まっていた。
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ボクがブリキの玩具を集め始めたのは
1968年・・・ある挫折がきっかけだった。
その時は前途ある将来なんて夢はなく
自分の育った子供時代に夢や郷愁を感じた。
でも日本でのブリキの玩具製造のピークは
過ぎていて
中国製のブリキのオモチャが
出始めていた。
交わす言葉は心地良い。
同時代体験の人や若い人・・・
オタクっぽい蘊蓄をぼそぼそと聞かせてくれた
金髪の青年もいた。
デジタルではない
アナログな世界への回帰を夢見ているようだった。
ボクも半分はデジタルなブログを始めたり
もう半分はアナログな手工芸にも導かれている。
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ボクが幼い頃、岡山に住んでいた従兄弟が佐藤製薬にいて
会えばお土産にサトちゃんの人形をくれた。
そんなことを突然思い出して撮った一枚。
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高倉健さんの「鉄道員(ぽっぽや)」を見たときに
主人公の健さん扮する国鉄マンの乙松の部屋には
SL時代の逸品が雑然と並べてあった。
ボクも欲しかったけど、どうやったら手に入るのか
分からないまま忘れてしまった。
友人のカメラマンは最近鉄道に凝り始めている。
そんな友人のために撮ってみた。
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フーテンの寅さんが持っているような革のトランクを手に入れて
喜んでいるのは仲間のクリエイターだ。
出展していたオジさんは缶ビールを何本も飲んでいた。
並べてある品物の中に「スーパードライ」とスルメとソーセージと
サトちゃんの人形をセットにして200円だと言う。
早速ボクはそのビールを買って飲んでいると、見ていた彼女は革のトランクを発見
交渉の末、なんと2000円でゲットした。
気前の良いオジさんは、売り物である色んな雑貨を
トランクに放り込んでくれた。
宝物で一杯になって満面の笑みを浮かべた彼女と
また会おうなと言ってくれたオジさんのツーショットです。