2008年6月18日水曜日

訃報なんかイヤだ


今朝CBCテレビから電話があり山本恵三さんの突然の死を知らされた。

彼がラジオ制作にいた、はるか昔の事です
15分の深夜番組でDJをやってみないかとボクは持ちかけられた。
その頃のラジオ番組は自由だった。

自分の好きなお皿(レコード盤)をまわし
好き勝手なことをしゃべった。
その好き勝手を褒めてもらった。

飲みにもよく連れて行ってくれた
芝居のこと音楽のことを学んだのは
彼からだった。

やがてテレビ制作に移り
「東芝日曜劇場」のドラマ演出で頭角を現してきて
数々の賞を受賞した
賞男と呼ばれるようになっていた。

今の陳腐なテレビドラマとは違い
徹底的に台本と演出にこだわっていた。

ある時にはボクに本を書け
又あるときには
おまえをドラマで使ってみたい・・と
おだてられた。


いまは三越と名前をかえたデパートの催事会場で
内田裕也とフラワー・トラベリング・バンドを招き
大音響の「サトリ」を演奏
その時も局を抜け出してきて
あの、煙草をくわえたしわがれ声で
「いいよ、いいよ良い企画だよ」と
褒めてくれた。


福島県の老舗旅館でのイベントに
「安達ヶ原」を企画した。
演出で困っていたボクは
彼に電話をかけて助言を求めた。

一週間くらい経ってから
一本のテープが届いた

雷や暴風やおどろおどろしい和太鼓や笛
色んなサウンドエフェクトが入っていた
館内イベントは大成功

あれから何年経ったのだろう
報道姿勢や芝居のことで疑問があると
電話をかけてご無沙汰つなぎをしていた。

少し猫背で酒と煙草を愛し
慶応ボーイとしてのダンディさを
極めていた
山本恵三が逝ってしまった。
享年65歳

冥福を祈るには早かった。
夕方になって
やっと涙がとまった。

明日はお通夜だ。

合掌