2009年10月1日木曜日

レトロでジャンクなカフェを発見 -11

木曜日はMrs,kichenさんの営業日

他の用事を済ませてから
一週間ぶりの訪問

古い木の扉を開けて中にはいると
古いシャンソンが流れていてボクを迎えてくれた
別の世界が待っているようで
ホッとするんだ

ボクは今年の春頃作った作品を数点持って行き
作品化できないかの相談


紙粘土で写しとった凹面になった観音様の顔

この凹面のへこんでいる観音様が
じっと見ていると立体に浮かび上がってくるんだよ
以前流行った3Dのようにね

光と陰を上手につかって眺めないと
立体には見えない不思議

下の画像では立体的に見えるでしょ
でも現実は逆なんだ

一番高く見えている鼻が
現実では一番低いんだ
ナオちゃんも
ヨシエさんも
今日は立体的に見えなかった

でも見えないことを楽しんでくれる

一体をプレゼントしたよ
立体的に見えたときには感動するから
きっと連絡があるだろうね


お客様も帰り
営業時間も過ぎて静かな店内になった

ボクが持って行ったのが
粘土の立体オブジェだったから
ヨシエさんもキッチンの奥から
宝箱のような小さな箱を持ってきた
箱の中には自分の樹脂作品が入っていたよ

思いつくままにいろんな物を
樹脂小瓶の中に封じ込めてある
透明樹脂だから
日没前の光にすかしてみると
おとぎばなしの世界が広がってくる



この店に来るといつも挨拶をしている
お腹のぽっこりとでた人形のオブジェに
寄り添うように別の人形を置いてみた

向かいの席に座ったヨシエさんは
人形劇を演じるように
二体の人形のセリフを言いながら遊びだした
ときおり可愛い童女に変身するんだよ


ヨシエさんが見せてくれた雑誌の扉には
ジョージア・オキーフのことが書かれていた
偶然だけれど今日ボクが持っていたのは
数年前にボストン美術館で買ってきた
ジョージア・オキーフの図録

何だか興味の対象が似ていると嬉しくなってしまうね
オキーフの話やタイの話からはじまって
鉄のオブジェのアンテナさんの話
雑貨屋さんのHAVANKさんの話
彼女の作品展の話や
ボクの展示会の話

人と人とが繋がって
物つくりの新しい輪が広がっていくことの楽しさを
話していると
すぐに至福の時は過ぎていくんだよ



次回は
窓辺に実った葡萄狩りをしたいな
絶対に食べ頃だよ
いいでしょ
ヨシエさん