比較的、自分の仕事に近い参考品の紹介するね。
まず一番目は木彫・・・
鎌倉彫用のお皿の桂材を最近手に入れた。
鎌倉彫は名人や達人など大家が大勢いるので
ボクは鎌倉彫ではない雑貨を彫ろうと思っている。
この円形のトレーにはタイの象さんが彫られている
まるで子供が彫ったような単純な構成で彫り込みも浅い
鎌倉彫のような気品や芸術性は感じられない・・・
だけど彫った人の優しさが伝わってきた
象さん親子が彫られていて
陰を付けるように彩色されているのが
嬉しかった。
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仏様を彫るのはボクのライフワーク
立体の一木作りが本命だけど
時間を作ってレリーフも彫ってみたい
年月を重ねているから材にヒビが入っていて
何とも歴史を感じさせてくれる。
材は生きているから反りや割れはおこるもの。
日本には黒田辰秋という名工芸家がいる
黒澤明監督の重厚な彫りのある椅子を作った
ただただ憧れているだけで
ボク何ぞは足下にも及ばないヒヨッコです。
タイには歴史にも残らず名工でもなく
巷に埋もれている木彫家がいるんだろうな
名声や技術力もないボクが出来ること
先輩諸氏の模刻を柱にして技の研鑽を積む
そして片方では自分の彫りたい物を追求していきたい。
タイの田舎で見かけた木彫家具の一品が
旅の間、脳裏に刻み込まれていた。
これは木彫ではなく古材に描かれた仏画だね。
ナコンサワンの市場で招かれるように見つけてしまった
長い時間この板絵を眺めていた。
古材の味をそのまま残した上に絵の具が盛られている。
経年変化でクラックもある。
裏を見ると、釘の痕もある
きっと建築物の切れっ端に描いた物だろう。
値段を聞けば、決して買えない金額でもなかった
でもまだまだ旅は続く
ここでお金は散財できない
でも諦めきれず後ろ髪引かれる思いで