2008年9月18日木曜日

タイで見かけた色んなもの-3

比較的、自分の仕事に近い参考品の紹介するね。

まず一番目は木彫・・・

鎌倉彫用のお皿の桂材を最近手に入れた。
鎌倉彫は名人や達人など大家が大勢いるので
ボクは鎌倉彫ではない雑貨を彫ろうと思っている。

この円形のトレーにはタイの象さんが彫られている

まるで子供が彫ったような単純な構成で彫り込みも浅い
鎌倉彫のような気品や芸術性は感じられない・・・
だけど彫った人の優しさが伝わってきた
象さん親子が彫られていて
陰を付けるように彩色されているのが
嬉しかった。








仏様を彫るのはボクのライフワーク
立体の一木作りが本命だけど
時間を作ってレリーフも彫ってみたい

年月を重ねているから材にヒビが入っていて
何とも歴史を感じさせてくれる。

材は生きているから反りや割れはおこるもの。
そのヒビさえも味になる作品が彫れたらいいな。

とは言え、自分の仕掛品の多さに気がつきました。





日本には黒田辰秋という名工芸家がいる
黒澤明監督の重厚な彫りのある椅子を作った

ただただ憧れているだけで
ボク何ぞは足下にも及ばないヒヨッコです。

タイには歴史にも残らず名工でもなく
巷に埋もれている木彫家がいるんだろうな

名声や技術力もないボクが出来ること
先輩諸氏の模刻を柱にして技の研鑽を積む
そして片方では自分の彫りたい物を追求していきたい。

タイの田舎で見かけた木彫家具の一品が
旅の間、脳裏に刻み込まれていた。





これは木彫ではなく古材に描かれた仏画だね。
ナコンサワンの市場で招かれるように見つけてしまった
長い時間この板絵を眺めていた。

古材の味をそのまま残した上に絵の具が盛られている。
経年変化でクラックもある。
裏を見ると、釘の痕もある
きっと建築物の切れっ端に描いた物だろう。

値段を聞けば、決して買えない金額でもなかった

でもまだまだ旅は続く
ここでお金は散財できない
でも諦めきれず後ろ髪引かれる思いで
その場を離れた・・・・


ナコンサワンを立つ前の日
タイの友だちがプレゼントを贈ってくれた

中を改めてみるとこの絵があった

友だちはボクのことを見ていたらしい
涙もろいボクは泣いた

そんな訳で、いまこの板絵はボクの手元にある。