2009年8月4日火曜日

新刊であれ中古であれ本は香しい-28

自分がとてもイヤになる
自分の浅はかな行動がいやになる

自分の吐いた言葉
自分のとった行為の軽率なお粗末さ

自分では軽い気持ちなんだけれど
相手にとっては深い心の傷になる

悔やみ続けるだろうと思っている

革細工をやっていて
同じことをやってしまうことがある

大切な革と革を縫い合わせる糸の長さを
あらかじめ手で計り
糸の長さを決めるんだけれど

いつもは慎重に目測するのだけれど
まっ いいかと
アバウトにスタートしてしまう

途中で途絶えた糸は結ぼうにも
ボクの今の技術では結び直せない

中にはきれいに修復する人もいるんだろうな

自己嫌悪と悔悟の思いが強すぎて
次の行動が定まらない

ちょいと酒を飲んでみるんだけれど
酩酊しない

届いたばかりの荷物を
解いてみると

自分に元気を与えるために
買い求めた本とCDがあらわれたよ

発注したときの事を思い出してみたら
素敵な時間の中に浸っていた自分がいたんだ

自分が素敵な渦中にいるときに選んだ本や
サウンドトラックのCDでさえ
いまは大きな距離感をもって
迫ってくる

24年間も自分の意志を押さえられて拉致されたまま
青春を過ごした蓮池さんの爪の垢でも
煎じて飲まないといけないな

自分の犯した罪の深さに気づいたときに
自分探しの危険な旅に出た
CIAの殺人マシーンだった
ジェイソン・ボーン

子供の時から殺人マシーンとして育てられ
後頭部にバーコードを彫り込まれて
機械のように淡々と殺戮をこなしていく
クローン人間のような
ヒットマン
彼にも人としての優しさの中で
救いの手はさしのべられる

自分を知れば知るほど
清廉になっていく
蓮池さんとボーンやヒットマンの人生

したり顔で
自分を知ることなく過ごしてきた
自分の抱えている業が悲しいな